ある 晴れた夏の午後、ミウちゃんは、
ママと、ママのお友達と3人でやってきた。
■ 出逢い
ドアを開けると、好奇心たっぷりの腕白そうな笑顔が
ニョキッとのぞく。
「コンニチハー!」
大きな声で挨拶したかと思うと、
そのまま勢いよくドアをすり抜け走って入室しようとする。
「玄関で靴を脱いでからよ!」
お母さんがすかさず声をかけると
ハッとして急に立ち止まり、いそいそと靴を脱ぐ。
脱ぎ終わると そのまま廊下を駆けていき、
奥の部屋に居る先生に 元気よく挨拶をしている。
■ ミウちゃん
ミウちゃんは、6歳の女の子。
お母さん譲りの滑らかな色白の肌に、栗色の髪。
溌剌としているが「知的障害」を持っている。
頭部のエネルギーが肥大し、
前頭葉に紐が複雑に絡まったかのような乱れがある。
胸部全体に強いブロックがあり、外からの働きかけを受け付けない。
特に左肩に近い胸部奥には、鋭利な刃物でえぐられたような痕が見える。
その他 彼女の五感をなぞると、感覚に全般的にムラがあり、
識別できる情報と識別できない情報が混在するようだった。
■ セッションT
セッションは、2名のヒーラーで分担して行うことに。
子供は集中力が続かないので、短時間で仕上げる必要があるのだ。
最初、先生が主に脳内へエネルギーでアプローチする。
同時に、和泉もエネルギーで生殖器・大腸・小腸に取り組む。
今流行のアニメやおもちゃの話など
とりとめもないやり取りをしながら、飽きさせないように。
ミウちゃんにとっては初めて体験する、
ヒーラーによるエネルギー場への働きかけ。
思った以上に素直にエネルギーを受け入れてくれ、反応も早かった。
脳内へのアプローチも順調に進み、
ミウちゃんの身体は ごく短時間に一気に熱くなる。
本人もこれを敏感に感知し、
すぐに「あつい、あつい・・・」と言い始める。
ところが、根源的なアプローチを試みようとした瞬間、
彼女は急に慌て始めた。
「マズイ!」といった表情でガバッと起きあがり、無言の内に訴える。
「これ以上触れないで。まだ夢から醒めたくないの・・・」
■ セッションU
その後、アプローチを切り替え、
先生が胸部・背骨全体に取りかかる。
肩に手を置くと、ミウちゃんは、身体全体をこわばらせ
触れられることに強い警戒心を示す。
大丈夫だと伝えると、
その手をしげしげと見つめながら、納得していった。
しばらくアプローチすると、
胸の奥から「著しく強い恐怖心と警戒心」が浮上してきた。
過去世に関係するものだ。
それは実に鋭利なエネルギーだったので、
抜けていくと同時に、先生の悲痛な叫び声が上がる。
頬の血色がぐんと良くなったミウちゃんは、
キョトンとしたまま、ふしぎそうに先生の顔を見ていた。
■ セッションV
その間 和泉は、エネルギーで無意識領域に話し続ける。
テーマの根源には
・・・強い人間不信、嫌悪感、憤怒や警戒心。
とある過去世が、のぞく。
・・・・・・
・・・
・・
温暖な気候に恵まれたある港街。
倉庫で、荷物を運ぶ仕事をしている、
軽度の知的障害を持つ、男性。
人生のテーマは決して小さくはないが、
彼の家族や周囲の人は親切で、
概ね周囲の人の温かさを感じられて成長している。
しかし、こと、仕事に就いてからは、
彼自身としては ごく真面目にやっているのにも関わらず、
周囲の人にいつもバカにされ からかわれるので、
常に強いストレスを感じはじめる。
周囲の人は、彼が分からないと思って平気で馬鹿にするのだが、
彼の魂は、ちゃんと知っている。
全て、分かっている。
それでも思うように表現できないもどかしい感情は、
時に彼自身に向かい、自らの手で自分を傷つけることもあったようだ。
晩年、彼を理解し愛してくれていた家族や
周囲の人が一人ずつ居なくなっていく中、
毎日の生活は、孤独で居たたまれないものになっていった。
伏し目がちに、彼は つぶやく。
「・・・人間なんか、キライだ。」
・・・・・・
・・・
・・
今生に持ち越したテーマを乗り越えていけるように、
様々なアプローチを試みる。
自分を表現すること。
人を受け入れること。
その時の彼と、目の前のミウちゃんが理解できるように
何度も何度も話し、最大限の愛を伝えた。
■ クロージング
目が輝きを放ち、脳のエネルギーも随分整った。
背面・胸部・腹部もエネルギーが満ちた。
ミウちゃんは大きく変わっていた。
「もう、いい?・・・せんせぇ、もう、いい?」
20分に及ぶヒーリングが終わると、
勢いよくベッドから飛び起きるミウちゃん。
帰りのマクドナルドでハッピーセットを食べること、
おまけで付いてくる素敵なアイテムのことを、
自慢げに話してくれた。
1回で これだけエネルギー場が変わるなら
定期的なアプローチで 随分結果も出るのでは、と思われた。
しかし同時に、持っているエネルギー場の情報の強固さから見ても、
数年単位で構え、腰を据えて取り組むことが必要と思われた。
■ すべてのお父様・お母様へ
セッションの後に、先生からお母さんへ、お話しをさせていただく。
お母さんと、ミウちゃんが出逢ったこと。
ミウちゃんの持ってきたテーマ。
起こる全てには意味があり、
私たちは合意して、この人生に取り組んでいこうとしていること。
人生を生きるのは、実に壮大なプラン。
瞬間、瞬間が、精巧な芸術作品のような営みだ。
私たちはその営みを重ねる中で、
自分について、周囲の人について、今を生きる意味について、
少しずつ 知っていく。
自分一人でも大がかりなのに、
新しいスピリットをこの世界に迎えることは、
決して安楽なことではない。
だがそれを差し引いても尚、
それによって 得るものも大きい。
だからこそ私たちは自ら進んで 約束をして、
「家族」として生まれてくる。
これも、また一側面から見える 事実なのだ。
ミウちゃんのお母さんは、お優しい横顔で
先生の話に頷いている。
支えようとされるご家族が、
この現実をよりよく理解出来るように。
少しでも豊かな世界を生きられるように。
最大限のサポートをしてゆければ・・・と、改めて思った。
■ 最後に・・・
正直、こうしてセッションのことを文章に著すとき、
複雑な思いがあります。
私はヒーリングを仕事にする前の人生で、
様々な病気や障害を持つ人々を見てきましたが
自分が見たり感じたりしているものを、
正面切って、彼らに伝えてきてはいませんでした。
私は当事者でもないし、その家族でもない。
私の見えていることは、私に見えている部分にしか過ぎず
伝えたところで、何の慰みにもならないかもしれない・・・
そう思っていたからです。
責任を持てるわけでもないし、
医師でもないし・・・
まだまだ 葛藤は続いていますが、
当事者でない私だからこそ、見えるものがあり
医師でないからこそ、表現できる世界があるとも思いました。
そして、ヒーリング力やチャネリング力を上げていくことで
テーマに取り組む多くの人々に 何か貢献できたなら
どんなにか素晴らしいだろう、と考えました。
もし、私なりの感覚をお伝えしていけたら・・・
その背景にあるものを知ることで、
少しでも状況を多面的に理解してもらえるのなら・・・
その現実がかけがえなく大切なものだと認識出来たら・・・
そう思って、今日に至ります。
これから、たくさんの子ども達との交流が始まります。
色々な親御さんともお会いしていきます。
良いご報告が出来ればと思います。
日々、心して生きて参ります。
これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
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