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Energy Labo. 〜エネルギーラボ

あともう何日かで、9月に入る。
楽しかった夏休みが終わって、2学期が始まる。

そんなある日、ゆうき君とお母さんがやってきた。


ゆうき君

ゆうき君は、小学3年生。
どちらかというと、小柄。やせ型。
オレンジ色のTシャツと、ジーンズのハーフパンツ。

日焼けした肌。
芯の強さと、穏和さを示す眉。
つやのある黒髪。

「こんにちは・・・」

はにかみながら 挨拶を返してくれる目の奥には、
優しさと奥ゆかしさが灯る。

お母さんによると、
ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)、てんかんを、
テーマとしてお持ちとのこと。



ヒーリング

○ 肉体

頸椎が詰まり、肩が上がった状態のまま
筋・骨格が硬直している。

・・・極度の緊張状態。
肋骨付近も全般的に上部にせり上がり、鳩尾に強いプレッシャーがかかる。


頭部周辺を取り囲む、
入道雲のような形状のエネルギー。強い圧。
・・・莫大な情報を受信しているが、処理が追いつかない。

この情報の処理のために、
エネルギーが頭部周辺に偏りがちで
胴部および下半身の方への流れが阻害されがちである。



○ 意識 ・ 精神

エネルギー場のうち、「精神」の場に、
今にも泣き出さんばかりの悲しみが満ちている。

触れた瞬間、私の身体まで、その深い悲しみの波紋が広がる。
・・・思わず飲み込まれそうだ。

踏ん張って、持ち堪える。
ヒーリングをしていく。

すぐに過去世が浮かんでくる。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・

とても古い時代。

温暖な気候に恵まれた、アドリア海沿岸のある地方。

代々受け継がれてきた伝統的な何かを、守っている一族・・・
ゆうき君は、その一員として生まれ育っている。

その伝統的な何かは・・・恐らく、陶器だろう。
あまり思い出したくないようで、深くは読み込めない。

年の頃、27歳。
元来、神経質で気が弱く真面目。
もう、職人としても一人前と見なされる年齢。

彼は、大きな失敗をしてしまう。
代々大切に使ってきた、何かを壊してしまった。

もちろん、故意ではない。
だが、それは決定的な失敗だったらしく
家業を手放さざるを得なくなった。

一族郎党から失望され、見放されて、
周囲の人間に、一気に去っていかれてしまう。


「嫌だ!お願いだから、行かないで・・・」
「もう、絶対に失敗しないから。お願い・・・!」


・・・願いも空しく、彼はひとりになった。

深い深い悲しみ。
自分に対する失望。
孤独。


・・・・・・・・・・

彼の意識は、今も恐れている。

自分が、また大きな過ちをしでかすのではないか。
そして、皆を失望させるのではないか。
皆は自分を見放し、離れていくのではないか・・・

その恐れが、彼にこれだけの緊張を強いている。
常に、周囲の人の反応を先読みしている。
その人の表現する言葉や態度の奥にあるものを
緻密に正確に捉えようと探っている。


「今度は、絶対に、失敗しちゃダメだ・・・。」


・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・

ただ、幸いにも、この記憶が刻まれている「精神の層」と
「意識・肉体の層」との間には、ずいぶんと隔たりがある。

深い夢を見るような意識レベルで知覚しても、
通常の意識活動の範疇では、
この記憶がある領域までアクセスできないようにしてある。

従って日常生活レベルでは、
この時の記憶や感情に翻弄されずに済む。



彼の意識は、「自分が思うこと」よりも、
「周囲の人の評価や見解」を真っ先に検証する。

周囲の人の見解において「安全である」という確証が得られなければ、
押し黙ってしまう。

それは、過ちを恐れる彼にとっては、必須の安全装置。
最善の策なのだ。



○ アプローチ

詰まった頸椎を整えながら、エネルギーを整えていく。
そして、脳内を整えていく。

ゆっくりとブロックを解除しながらハートへアクセスし、
緊張の元となる不安や恐怖を抜き去っていく。

・・・過去の領域に在る意識に、
もう何も恐れなくても良いことを告げる。



セッションを終えて・・・

上がりがちだった肩は随分和らぎ、
顔の表情も柔和になった。

目は深みを帯び、安堵の色を宿している。
頬は上気し、気を遣わない自然体の笑顔になった。

エネルギー場の緊張が抜けてほどよく弛緩し
穏やかさが満ちている。


ゆうき君とお母さん、二人とも良い感性をお持ちだったので、
今日のアプローチを手短に話す。

過去世の話は簡単なものに留めたが、
ゆうき君に向かって
「もうね、心配しなくても、いいんだよ。」と言うと、
「アハハ・・」
と大きな声で歯を見せて笑った。

笑い声は、ゆうき君の身体の奥から響いてきた。


・・・・・・・・・

汗をグッショリかいたゆうき君。
とっても格好良い、男の子らしい服に着替えた。

「ばいば〜い!」

交流できた喜びでいっぱいで、
無邪気に手を振る私とはうらはらに、

頭をちょこんと下げながら
静かな笑顔で奥ゆかしく御礼を伝えてくれる、ゆうき君。

(・・・私に手を振るのは失礼にあたると見なしている・・)

その仕草が実に彼らしい。


まだ小さい彼の背中を、
「きっと、手放せるよ・・・」と見送った。


 




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